薄毛になる理由として、様々な所で「8時間未満の睡眠はハゲる原因」「夜10時~2時のゴールデンタイムに寝ないとハゲる」と書かれているのを見た事や聞いた事はありませんか?
もちろん今でも信じられている噂ですが、睡眠はただ長く取ればよいものでは無く、質の良い睡眠であれば入眠後6時間程度でも構わないですし、ゴールデンタイムと言われていた時間も気にする必要が無いのです。
では何故、睡眠不足だとハゲるという噂がここまで信じられているのか、また本当に睡眠不足だとハゲるのか?そのメカニズムと睡眠改善で薄毛対策が出来るのかについて解説していきます。
睡眠と薄毛の関係性については、以下の動画でも解説していますので是非併せてご覧になってみてください。
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睡眠不足でハゲる?その理由を解説!
何故睡眠不足になるとハゲると言われるのか、どう関係しているのかと疑問になる方もいるでしょう。
実は睡眠不足が続く事で、抜け毛が増えたりヘアサイクルが乱れて薄毛が進行してしまう事があるのです。
まずは睡眠不足が続くと薄毛が進行してハゲる3つの理由を解説していきましょう。
睡眠不足でハゲる理由①成長ホルモンの分泌が減少してしまう
人間の身体では睡眠中に細胞の代謝を促進したり、骨や筋肉を成長させ脂肪を分解する成長ホルモンが分泌されています。
成長ホルモンは日中にダメージを受けた頭皮を修復する事でも知られていて、毛母細胞の活性化や細胞分裂も成長ホルモンの刺激によって行われているのです。
睡眠不足になると十分な量の成長ホルモンが分泌されず、命に係わる内臓や骨・筋肉へと先に使われてしまう為、頭皮や毛母細胞にまで届かなくなり薄毛が進行してハゲると言われています。
睡眠不足でハゲる理由②自律神経が乱れる
人間の体内には、日中に活発になる交感神経と身体を休めている時に活発になる副交感神経という2つの自律神経があり、24時間体制で私達の身体が正常に機能するようコントロールしています。
ですが、睡眠不足やストレスなどによって自律神経のバランスが崩れてしまうと、全身の血流が悪化したり摂取したタンパク質の吸収率が落ち、髪の毛を作るために必要な量が不足してしまうのです。
自律神経が乱れている時には、本来なら睡眠時に活発になるはずの副交感神経が働かず、常に身体が活発に動こうとしている事になる為、身体自体も休まらず成長ホルモン分泌の妨げにもなってしまいます。
睡眠不足でハゲる理由③血行不良になる
睡眠不足になると自律神経の乱れが起き全身の血行不良が起こる為、髪の毛の育成に必要な酸素や栄養素が頭部の毛細血管まで行き届かなくなることも、睡眠不足でハゲる理由になります。
これは交感神経が優位になっている状態が続いてしまう事で、血管が収縮してしまう為に血流が悪化してしまうという事です。
頭部は心臓よりも高い位置になるのでどうしても血液が届きにくいという事もあり、血行不良になりやすく栄養が不足しがちになって健康な髪の毛が育ちにくくなってしまうという事になります。
睡眠不足になる原因と対策を解説
続いては何故睡眠不足になってしまうのか、その原因と対策について解説させて頂きます。
自分自身の心がけで改善する原因もありますが、複数の原因が関連している事などもある為、まずは簡単にできる事から対策して原因を無くしていくことが睡眠不足改善には必要です。
睡眠不足になる原因:生活習慣
現代社会では難しいこともありますが、出来るだけ入眠3時間前までに食事や入浴を済ませてカフェインを摂らないようにしましょう。
寝つきが悪い方の中には寝酒を飲む方もいますが、寝ている間にアルコールを分解する時に発生するアセトアルデヒドが睡眠の邪魔をするので眠りが浅くなります。
喫煙もタバコに含まれるニコチンによってアドレナリンの分泌が増え血圧や心拍数が上昇して脳が覚醒してしまうので、寝る前のタバコは特に控える事がおすすめの睡眠改善対策法です。
睡眠不足になる原因:不安・ストレス
不安やストレスも現代では避ける事のできない問題ですが、寝る前まで考えてしまっていると交感神経が優位な状態が続き寝付けなかったり深い睡眠に入れなくなってしまいます。
さらに現在は新型コロナの影響で外出の自粛や在宅勤務など、これまでと環境が変わりストレスを感じている方が増えているので、悩みが増えている事でも睡眠不足になりがちです。
日常的に寝付けないという方におすすめの睡眠改善対策法は入眠2時間程前にぬるめの湯船にゆっくり浸かり好きな音楽をかけたり、寝る前に極軽いストレッチをして体の緊張感を取り血行を促しましょう。
睡眠不足になる原因:寝室の環境
寝室の気温や湿度、寝具が自分に合っていないとしっかりと深い睡眠に入れず、睡眠不足になってしまう事があります。
枕の高さが高すぎると首の傾斜角度も高くなり、肩や首への負担が大きく寝違える事も増えますし気道を狭めてしまい睡眠時無呼吸症候群やいびきの原因になる可能性があるのです。
また寝室の温度は20~25度ほど、湿度は40~50%ほどが適切であるという説もあるのですが、性別や体格によっても多少左右されますのでご自身が快眠できると感じる環境を作りましょう。
寝室のカーテンは出来るだけ外部の明かりが入らないようなものを選び、寝室は出来るだけ図書館並みに静かな環境を作ることが睡眠改善対策法としておすすめです。
睡眠不足になる原因:寝る前のスマホやパソコン利用
古い時代には無かったスマホやパソコンも、使用する時間帯によっては睡眠不足になる原因となります。
寝る前にLEDを使用している電子機器(スマホやパソコン)を使用していると、強いブルーライトを浴びる事になり脳が昼間だと勘違いして体内時計がずれ、メラトニンの分泌が減少してしまうのです。
メラトニンは睡眠を促すホルモンで、成長ホルモンの分泌にも大きく関わっており寝る直前までスマホやパソコンを利用して寝ないでいると、睡眠不足になるだけでなく薄毛も進行してしまうという恐れがあります。
睡眠改善対策法としては寝る1時間前からはスマホやパソコンを触らず、小さな音で音楽をかけたり本を読む事です。
睡眠不足になる原因:寝る直前の飲食
お腹が空いて眠れないからと、寝る前に食事をする方がいます。
確かにお腹いっぱいになると眠気が来ることも多いのですが、満腹時に分泌される催眠効果があるホルモンのレプチンの本来の効果は消化吸収を促進し胃腸の働きを活発にさせる事なのです。
胃腸が忙しなく働いている為、質の良い睡眠を得られなくなり結果的に睡眠不足になってしまいます。
またカフェインは覚醒作用があり、作用の半減期が平均して4時間程度とされるので、寝る4時間前からはカフェインの入った飲料を摂取しないようにすることが睡眠改善対策法です。
睡眠不足になる原因:疾患・疾病
疾患や疾病の中には睡眠不足を引き起こすものが少なからず存在しています。
睡眠時無呼吸症候群やムズムズ脚症候群、周期性四肢運動障害、風邪や喘息発作・皮膚の痒みに痛み・頻尿なども含まれるのですが、まずは治療をして症状の原因を無くすことが先決です。
また、治療中に服用している薬の中にも睡眠を妨げてしまうものがあります。
あまりにも眠れなくてつらい場合には主治医に相談し、可能であれば別のお薬に変更してもらいましょう。
質の良い睡眠とは?
人はレム睡眠とノンレム睡眠という、2つの段階を1晩に約90分程のサイクルで数回繰り返しています。
レム睡眠は浅く脳が活発に動いている睡眠で、ノンレム睡眠は脳や体の疲労を回復させる深い睡眠です。
一般的に入眠後30分程で1回目の深いノンレム睡眠に入り、この時に一番多く成長ホルモンを分泌します。そして数回繰り返す睡眠の中でノンレム睡眠の深さが段々と浅くなり、レム睡眠の頻度が増え目が覚めていきます。
質の良い睡眠は寝つきが良い事・ぐっすりと眠れること・朝はスッキリと起きられることの3つが揃っている事を指し、睡眠中に心身の疲労を回復させられている状態を言います。
夜更かしの時、少し寝るのか寝ないのか
夜更かしをしてしまった時、翌日の起床時間まで時間もあまり無いし寝ない方がいいのでは?と思ったことありませんか?
少しだけ寝る・寝ない、どちらを選んでも翌日辛いのですが、多少でも寝る事で睡眠不足は軽減されます。
ただし一般的な睡眠サイクルは90分とされているので、起床時間から逆算して90分単位・180分単位で取ることがおすすめです。
寝ないでいると作業効率や集中力が低下してしまいますので、日中に昼寝をして多少でも休養するようにしましょう。
寝ないでいるとどうなるの?
慢性的な睡眠不足が続くと全身のホルモン分泌機能に異常をきたし、血糖値が下がりにくくなって糖尿病になりやすくなったり、免疫機能や代謝効率の低下で感染症にかかりやすくなる・食欲増加で体重が増加する・脳の老化が速くなるなど、寝ない事によって体のあらゆる機能に大きく影響します。
また野村総合研究所が調査した結果、睡眠時間が平均で3時間未満の方が気になる症状として薄毛や抜け毛の割合が高かったことからも、寝ないと薄毛が進行してしまうという事が分かりました。
薄毛対策にもなる睡眠改善法
睡眠時間は十分だったはずなのに起きた時に疲れを感じている方は、質の良い睡眠が取れていない可能性があります。
しっかりと深い睡眠に入り成長ホルモンの分泌を促す為の睡眠改善法をご紹介していきますので、寝ても眠い・疲れが取れないなどという悩みがある方は試してみてください。
毎日同じ時間に寝て起きる
日々同じリズムで生活する事で体内時計を一定に整えることが質の良い睡眠を取るためには必要です。
出来るだけ毎日同じ時間に寝て起きる事が理想ですが、難しい方は起きる時間だけでも揃えて起床したらすぐに火の光を浴びでリセットさせましょう。
休日も普段と同じ時間か遅くてもズレを1時間程度に抑え、昼寝はし過ぎないように努めて寝だめをしないようにしてください。
栄養バランスの整った食事を3食摂る
睡眠不足の時は、睡眠の質を高める食事を摂ることも必要です。
乳製品や青魚に含まれるトリプトファンはセロトニンやメラトニンの基になる栄養素で、体内で作ることが出来ない為に食事で摂取する必要性があります。
その他には肉や魚介類に多く含まれるグリシン、海藻類に含まれるマグネシウム、野菜や果物・発芽玄米に含まれ近年注目されているGABAも睡眠の質向上に必要な栄養素です。
朝はトリプトファンを多く含む食事を摂り、夜にはグリシンを多く含む食事を摂ると夜にしっかりと深い睡眠に入ることが出来、朝はスッキリと起きることが出来るという事が分かっています。
リラックスする時間を作る
夜寝る前の1時間ほどは脳の興奮を沈め緊張を解き、副交感神経の働きを優位にさせ睡眠ホルモンのメラトニン分泌を促進させましょう。
寝る2~3時間ほど前にはぬるめのお湯で20分程湯船に浸かったり、ストレッチやリラクゼーション効果のあるヨガをして体温を上げる事もおすすめです。
不安感を消してくれるラベンダーや、安眠効果を高めるカモミール・イランイラン・サンダルウッドなどのアロマを使うとダイレクトに脳へと届き神経を沈めてくれるので質の高い睡眠に効果があります。
まとめ
今回は睡眠不足だとハゲるのは本当?寝ないと薄毛になる理由や、睡眠改善で薄毛の対策ができるかについて解説させて頂きました。
睡眠不足になることで薄毛が進行しハゲてしまう理由としては、成長ホルモンが減少して毛母細胞が活性化せず血流が悪化して栄養素が不足し、健康な髪の毛が作られなくなるという事で睡眠不足でハゲる可能性は高いという事が分かって頂けたかと思います。
薄毛やハゲる事に不安を感じている睡眠不足の方は、是非今回ご紹介した睡眠改善法を実践していただき、少しでも質の良い睡眠を取ってください。
対策をしても抜け毛が増える、薄毛が進行しているという方は睡眠不足の他にも原因がある可能性が高いので、一度薄毛の専門家へ相談し適切な治療を始める事をおすすめします。
参考文献:
日本医事新報社 睡眠時間と成長ホルモンの分泌量
厚生労働省 e-ヘルスネット
日本成人病予防学会 睡眠不足とブルーライト
野村総合研究所 インターネット利用によって人はハゲるのか!?