「ハゲには亜鉛が良いって聞いた」「反対にハゲるって噂もあるんだけど、本当なの?」
薄毛になると効果があると言われる対策を色々と試したくなるものですが、結論から言うと亜鉛に関しては育毛・発毛に対して効果がある成分ではあるものの、取り過ぎてしまえば脱毛を起こす可能性があります。
今回は亜鉛そのものについてや働き、髪の毛に良い効果をもたらす摂取量と亜鉛でハゲると言われる噂の真相を、徹底的に解説していきましょう。
以下の動画では手軽に亜鉛を摂取しやすいサプリメントについて注意点等を解説していますので、是非併せてご覧ください。
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亜鉛が髪の毛に良い効果があるのは本当?
まずは亜鉛には髪の毛を育てる事に対してどんな良い効果があるのか、という点について詳しく解説していきます。
そもそも亜鉛は骨や筋肉・脳、肝臓・腎臓・皮膚などに存在し、タンパク質やDNA・ホルモンを合成したりホルモンの分泌量の調整や免疫反応を調整するという様々な作用に必要なミネラルの1種です。
そして髪の毛に大切な亜鉛の働きが、タンパク質と結合して髪の毛を作るというもので、さらに抜け毛が増える原因になる5αリダクターゼの働きを抑制する事になります。
この2点について、更に詳しく解説していきましょう。
亜鉛は健康な髪の毛を育てる
髪の毛の主成分であるケラチンの生成には、ケラチンのもとであるタンパク質をビタミンBが分解してアミノ酸へと変化させ、シスチンやメチオニンなどのアミノ酸などを使って亜鉛がビタミンのサポートを受けケラチンを生成していきます。
亜鉛不足になるとケラチンを十分に合成することが出来ず、白髪や細い髪の毛が増え、やがて髪の毛が生えてこなくなりはげる事に繋がるのです。
抜け毛を増やす5αリダクターゼの働きを抑制する
亜鉛には髪の毛を作る以外にもう一つ、抜け毛の原因になる5αリダクターゼの働きを抑制するという作用を持っています。
5αリダクターゼはテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換される際に使われる酵素なのですが、亜鉛がその酵素の働きを弱める事でDHTが増えすぎないようにしてくれるという事です。
DHTの量が増えなければ抜け毛が促進されることも無くなりますので、亜鉛は健康な髪の毛を作り抜け毛を減らすという大切な栄養素であり、髪の毛に対してとても良い効果があるといえます。
亜鉛の取りすぎではげる理由
では反対に亜鉛を取り過ぎるとハゲると言われているのは何故なのか、という事について解説していきましょう。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し(すぎたるはなおおよばざるがごとし)」ということわざがあるように、どんな事でも度が過ぎてしまう事は不足している事と同じように良いものではありません。
いくら髪の毛を育てる事に必要な亜鉛であっても、取り過ぎてしまえばハゲる事に繋がってしまうので、これから解説する事を参考にして亜鉛を取り過ぎてしまわないように注意してください。
亜鉛を過剰摂取すると副作用ではげる
基本的に亜鉛は体内への吸収率が約30%程度と低く、また毒性も弱いので取り過ぎたからと言って直ぐに症状が現れる事はほとんどありません。
とはいえ取りすぎている事が長期に続いてしまうような場合、吐き気やめまい・頭痛、倦怠感・腎臓障害や神経障害、脱毛などの副作用が現れる事があり、はげる事を防ぐために摂取していた亜鉛がハゲを促進してしまうという事になってしまいかねないのです。
また、亜鉛には銅の吸収を妨げやすくする作用があり、亜鉛を取り過ぎてしまう事で銅欠乏症、さらに鉄の吸収にも影響を与えて貧血を起こし頭皮・全身の血行を悪化させ抜け毛が増えハゲるということにも繋がります。
とはいえ普段の食生活で亜鉛を摂取している程度であれば取り過ぎることは滅多にありませんが、サプリメントを併用する場合には摂取量に注意が必要です。
亜鉛サプリに含有されている成分の過剰摂取ではげる
日常の食生活では亜鉛の摂取量が不足してしまいがちな方は、市販されている亜鉛のサプリメントを摂取する方も多いと思いますが、中には亜鉛と共に含まれているセレン・クロムという栄養素を過剰に摂取してしまう事による副作用が起こることがあります。
特にセレンの副作用には脱毛や爪の変形といったケラチンの合成が深く関わっているものがあり、セレン・クロムどちらも微量であれば人間にとって必要なミネラルではあるものの、取り過ぎてしまう事で髪の毛だけでなく体内に悪影響があるものになってしまうのです。
そもそも亜鉛とはどういう栄養素なのか
亜鉛が髪の毛に良い効果があるのかという項目でも触れましたが、亜鉛は人間を形作る上で様々な作用をする栄養素なのです。
そこで亜鉛とはどういった栄養素であるのか、そして亜鉛の働きやどんな効果があるのかについて解説していきます。
亜鉛は必須ミネラルの1つ
亜鉛は骨・歯・髪の毛などのもとになるだけでなく、臓器や細胞が正常に働く上で欠かせない必須ミネラルの1種です。
必須ミネラルとは主要ミネラルのカルシウム・ナトリウム・マグネシウム・カリウム・リン・硫黄・塩素という7種類の他、微量ミネラルと呼ばれる鉄・銅・亜鉛・セレン・クロム・ヨウ素・モリブデン・マンガン・コバルトという9種類を合わせた16種となります。
これら必須ミネラルは体内のpHバランスの調整や神経や筋肉の活動、ホルモンの分泌や皮膚・髪の毛・爪・骨・血液を作る上で欠かせない栄養素で、亜鉛が含まれている微量ミネラルは1日の摂取基準量が100mg以下でも十分ですが現代の食生活では不足しがちな栄養素も多いのがミネラルです。
亜鉛の働き・効果
ミネラルの中でも髪の毛を作る上で欠かせない亜鉛ですが、ケラチンの合成以外の働きとして胃腸で行われる消化や代謝などで使われる様々な酵素の生成に関わっています。
また亜鉛は、生成した酵素の活性化や肉体の成長、免疫機能の向上・味覚の正常化など、私達の身体が正常に働くようにサポートしてくれているのです。
必要量の亜鉛を摂取する事で、新陳代謝の活性や生殖機能改善・うつ症状の改善・消化性潰瘍や咽頭炎の改善への効果が示唆されており、また抗酸化作用が活性化される事から生活習慣病やアンチエイジングへの効果が期待されています。
亜鉛の摂取適正量とは?
私達の身体には亜鉛が欠かせない栄養素であるという事を解説してきましたが、だからと言って取り過ぎてしまえば前述したようにハゲる事にも繋がってしまいます。
では、1日にどの程度の亜鉛を摂取するのが適切なのでしょうか?以下の表にまとめたものをご覧ください。
年齢 | 男性の推奨される適正量と上限 | 女性の推奨される適正量と上限 |
---|---|---|
15~17歳 | 12mg/- | 8mg/- |
18~29歳 | 11mg/40mg | 8mg/35mg |
30~64歳 | 11mg/45mg | 8mg/35mg |
65~74歳 | 11mg/40mg | 8mg/35mg |
75歳以上 | 10mg/40mg | 8mg/30mg |
妊婦は上記適正量に+2/授乳婦は上記適正量に+4 |
亜鉛は体の中で作り出すことが出来ないミネラルなので、日頃の食事で摂取しなくてはならず、年齢からの適正量であっても汗で排出してしまいやすい汗かきの方・スポーツをしている方は適正量よりも少し多めに摂取する必要があります。
また、アルコールの分解やタバコによって生成される活性酸素の排出にも亜鉛が使われる為、喫煙者や日頃お酒をよく飲まれる方も亜鉛の摂取量は適正量より多めに取ったとしても取り過ぎになることは少ないです。
亜鉛と一緒に摂取することがおすすめの栄養素
亜鉛は体内での吸収率が低いと前述しましたが、効率よく亜鉛を体内に取り入れる方法があります。
それはビタミンCやビタミンB2・B6、クエン酸・タンパク質と合わせて摂取すると、体内での吸収をサポートしてくれるのでおすすめです。
亜鉛を多く含む食品には牡蠣・小麦胚芽・鰹・パプリカやビーフジャーキー・ナッツ類・レバーや赤身肉などがありますが、ビタミンCの多い柑橘類やビタミンB群が含まれるニンニク・海苔、クエン酸を多く含む梅干し・レモン・ヨーグルトなどを同時に摂取することで、更に30%程摂取率が増加すると言われています。
また、亜鉛は水溶性のミネラルですのでスープや鍋、そしてなるべくなら短時間で加熱する事がおすすめです。
亜鉛と一緒に摂取しない方が良い栄養素
反対に一緒に摂取するとただでさえ低い亜鉛の吸収率をさらに低下させる栄養素があります。
その栄養素はミネラルを吸着する多量の不溶性食物繊維・亜鉛と結合してしまうフィチン酸・加工食品に良く含まれている添加物のポリリン酸やカフェインも亜鉛の吸収を阻害してしまうものの代表です。
また銅や鉄は亜鉛との競合作用によって亜鉛の吸収を妨げる事もあります。
ただ、同時に摂取しなければさほど影響があるものでは無いため、1日の中の時間差で様々な栄養素をバランスよく摂取するようにしましょう。
亜鉛が多く含まれる食品とはげない量の目安
それでは亜鉛を食事から適切な量を摂取する場合、どんな食品に亜鉛が多く含まれているのか、そして含有量はどの程度なのかをご紹介します。
これらの食材を日頃の食生活に取り入れ、さらに亜鉛を取り過ぎないように意識してみてください。
亜鉛が多く含まれる食品:牡蠣
亜鉛を多く含む食品の代表が海のミルクとも言われる牡蠣で、生牡蠣ですと100gあたり約14mg、燻製だと約25mg/100g程度の亜鉛を含んでいます。
毎日生の牡蠣を食べ続ける事はなかなか難しいかもしれませんが、亜鉛含有量の高い燻製やオイル漬けになっているものでしたら1日に3~4個づつ取り入れられるのではないでしょうか。
牡蠣が苦手な方であれば、以下でご紹介する食材をなるべく多めに摂取するようにして下さい。
亜鉛が多く含まれる食品:牛の赤身肉
続いて亜鉛が多く含まれている食品として、牛の赤身肉があります。
モモや肩ロースでは100gあたり約7mg、ビーフジャーキーでは約9mg/100g含まれているので、食事はもちろん口寂しい時のおやつやおつまみにおすすめです。
また牛ミンチでも100g中約7.5mgの亜鉛が含まれますので、牛100%のハンバーグや牛そぼろ・キーマカレーなども亜鉛を効率的に摂取できるレシピと言えます。
亜鉛が多く含まれる食品:レバー
レバーも亜鉛を多く含む食品として有名ですが、特に豚レバーのスモークでは100gあたり約8.5mgほどの亜鉛が含まれ、次いで鶏のスモークレバーが100g中約5mg含まれています。
レバーを加工した物にはレバーペーストもありますが、こちらはレバー以外に小麦粉や調味料などが含まれるためか、亜鉛の含有量は牛で100g中およそ1.3mg、鶏で1.4mgとかなり少なくなるので効率を考えればスモークやソテーなどがおすすめです。
亜鉛が多く含まれる食品:小麦胚芽
近年健康食品として注目されている小麦胚芽にも、多くの亜鉛が含まれています。
小麦胚芽100gあたりですと約16mgと含有量が高く、小麦胚芽を手軽に摂取する為には全粒粉パンや全粒粉パスタ、また小麦胚芽に近いものとして玄米もおすすめです。
またオートミールやキヌア・ヘンプシードといったスーパーフードにも亜鉛が含まれているので、朝食やサラダに利用するのも良いでしょう。
亜鉛が多く含まれる食品:ナッツ・種子
手軽に摂取しやすいナッツや種子類にも豊富に亜鉛が含まれているのですが、特にかぼちゃの種には100gあたり約7.5mgもの亜鉛が含まれています。
他には松の実・カシューナッツ・ヒマワリの種・アーモンドなど、食材としてもおやつとしてもおすすめな物ばかりです。
ナッツや種子類には亜鉛の他にマグネシウム・鉄や銅・ビタミンを含むものが多いので、日頃の食生活に色々と取り入れてみてください。
亜鉛が多く含まれる食品:がんもどき
関東ではがんもどき、関西ではひりょうずという名で知られるものですが、この豆腐を使った精進料理にも亜鉛が100gあたり約1.5mg含まれます。
豆腐がタンパク質ですので亜鉛の吸収を高めてくれますし、がんもどきの材料には人参やきのこ・ひじきなどがあるのでこれらの栄養素を同時に摂取する事が可能です。
亜鉛を含むミネラルやタンパク質豊富ながんもどきは、薄毛対策に効果的な食材ですので、是非日頃から意識して食べるようにしてみましょう。
亜鉛は効率的に摂取しよう
普段の食生活の中で不足しがちな亜鉛ですが、最も効率よく摂取できる方法としてサプリメントの併用があります。
とはいえ亜鉛の摂取上限を超えた取り過ぎでは副作用としてハゲる事もあるので、薄毛が気になる方は注意が必要です。
ですが、一度に沢山亜鉛を取ればよいという考えは誤りで、適正摂取量の上限を越えない場合でも一度に摂取すると亜鉛の吸収率が下がってしまいます。
亜鉛は含有量の少ないものを数回に分け摂取する事と、セレン・クロムが含まれていないサプリメントを選ぶようにしましょう。
まとめ
今回は髪の毛の育成に必要な亜鉛について、取り過ぎるとハゲる?ハゲない量の目安と髪の毛への良い効果について解説しました。
食事からでしか体内に取り入れられない亜鉛は、取り過ぎても不足しても髪の毛や体のためにならず、適切な量を取り続ける事が必要な栄養素です。
吸収率も低いので出来るだけ適切な量を毎日摂取するようにして、健康な髪の毛を生成できるようにしましょう。
とはいえ亜鉛ばかりに気を取られていては、その他の大切な栄養素の摂取をおざなりにしてしまいかねませんので、様々な栄養をバランスよく取るように意識してください。
日頃の食生活が不安な方は薄毛の専門家に相談して、栄養バランスをチェックしてもらう事もおすすめですので、是非気軽に相談してみましょう。
参考文献
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報
厚生労働省 日本人の食事摂取基準 2020年版
独立行政法人国際協力機構(JICA) 母子保健改善のための微量栄養素欠乏に関する援助研究
文部科学省 食品成分データベース