「頭皮がかゆい」「フケもよく出るし、なんだか抜け毛も目立つようになってきた…」
頭皮の炎症や抜け毛といった気になる症状がある方は、もしかすると脂漏性皮膚炎かもしれません。
実は脂漏性皮膚炎でお悩みの方は意外に多く、脱毛症を併発するケースも見られます。
今回はそんな脂漏性皮膚炎の特徴や抜け毛の原因、対策について詳しく解説いたします。
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頭皮トラブルである脂漏性皮膚炎とは?
脂漏性皮膚炎とは、鼻の周辺や頭皮などの皮脂分泌が多いところを中心に起こる皮膚炎のことです。
炎症を起こすと地肌が赤くなり、かゆみを伴います。
初期症状がアレルギーや刺激によって引き起こる皮膚炎と似ているため、脂漏性皮膚炎だとは気づかないまま、かゆみなどに悩んでいる方がとても多い頭皮トラブルです。
脂漏性皮膚炎の特徴
脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い鼻の周辺や頭皮に症状が出やすい皮膚炎です。
人によって背中や胸、首の周辺などに炎症が広がることもあります。
症状の特徴については、下記のとおりです。
脂漏性皮膚炎の症状
- 炎症を起こして皮膚が赤くなる
- かゆみがでる
- 皮膚が荒れてかさつく
- 荒れた皮膚が細かく剥がれ落ちる
頭皮の症状
- 頭皮がかさつき、かゆみが出やすくなる。
- 頭皮に赤い湿疹ができ、全体的に赤みが出ることがある。
- フケの量が増える。フケの形状は扁平で大きめである。(乾いた細かいフケではない)
- 重症化すると頭皮のただれや脱毛が引き起こる。
脂漏性皮膚炎にはフケが出るという症状があります。フケ症との違いは、脂漏性皮膚炎の場合は炎症を伴うとされています。
脂漏性皮膚炎が起きる原因は?
脂漏性皮膚炎の直接的な原因は、マラセチアというカビ(真菌)によるものと言われています。
マラセチアは、皮膚などにいる常在菌の1つで人間だけでなく犬や猫などの動物にも存在する菌であり、増殖すると皮膚炎や外耳炎を引き起こしたりします。
顔や頭皮にカビがいると思うとびっくりする方も多いですが、マラセチアは決して悪い菌というわけではなく、誰の皮膚にでも存在していて、実は肌や頭皮を守る役割もあるのです。
マラセチアの役割について
【マラセチアの働き】
- 皮膚から分泌される皮脂の分解する
- 分解された皮脂を乳化させ、皮脂膜を合成する
【皮脂膜の働き】
- 頭皮を外界からの刺激から保護する
- 雑菌や金の侵入を防ぐ
脂漏性皮膚炎の原因①:マラセチア菌の過剰増殖
肌や頭皮を守る役割をしていたマラセチアも、異常に増えすぎてしまうと炎症を引き起こすなど、脂漏性皮膚炎の原因となります。
マラセチアは皮膚や汗などの分泌物をエサにしているため、皮脂の分泌量が増えすぎてしまうとマラセチアのエサが増えてしまうことになり急激に増殖します。
この分解された皮脂が肌や頭皮への刺激となって、頭皮トラブルの原因や抜け毛となります。
脂漏性皮膚炎の原因②:生活習慣
脂漏性皮膚炎の原因として、他にも下記のようなことが挙げられます。
- 遺伝的要因
- ストレスによるホルモンバランスの乱れ
- ビタミンBの不足
- 洗顔や洗髪による洗いすぎ・洗い残し
- 食生活の乱れ
脂漏性皮膚炎の直接的な原因はマラセチアによるものの場合が多いですが、遺伝的な要因、生活習慣の乱れやストレス、間違ったヘアケアが原因となることもあります。
また、日頃から脂っこい食事が多いなど食生活の乱れは脂漏性皮膚炎の原因である皮脂の過剰分泌につながりますので注意が必要です。
梅雨の時期は特に注意が必要
季節の変わり目は、皮膚のトラブルが起こりやすくなります。
特に梅雨の時期から夏にかけては、紫外線の量もグッと増えてくるため、外気に直接触れる肌や頭皮はダイレクトに影響を受けやすくなります。
加えて高温・多湿の気候となるため、皮脂や汗も分泌しやすくなり、マラセチアなどの菌も増殖しやすい時期と言えます。
脂漏性皮膚炎の悪化はハゲる原因?髪の毛が抜ける理由とは?
脂漏性皮膚炎が悪化すると、抜け毛の症状がともなうことがあります。
特に男性の場合、脂漏性皮膚炎とAGA(男性型脱毛症)を併発するケースもあり、脂漏性皮膚炎を改善するだけでなく、更なる対策が必要になる場合があります。
女性の場合は、男性に比べて脱毛症の併発は起こりにくいものの、脂漏性皮膚炎によって髪の毛が細くなってしまったり、抜け毛が増えることもあるので、やはり注意が必要です。
脂漏性脱毛症とは?
脂漏性皮膚炎によって起こる脱毛症は「脂漏性脱毛症」と呼ばれています。
脂漏性皮膚炎は、前途のとおり皮脂の過剰分泌がマラセチアの増殖につながり、皮膚の炎症を引き起こします。
皮脂腺は毛穴ごとに存在するため、頭皮の毛穴にも影響を及ぼします。脂漏性皮膚炎の炎症やフケによって毛根が塞がれてしまうと、髪の毛が抜けやすい状態となり脱毛が起こるのです。
また、脂漏性皮膚炎によるかゆみにより、頭皮をかきむしることで毛が抜けてしまったり、かゆみはないものの頭皮にできたかさぶたを剥がすことにより部分的に髪の毛が抜け落ちてしまう場合もあります。
脂漏性脱毛症の抜け毛の毛根を見てみると、下記の画像のように皮脂やフケの塊が付着していることが多いです。
脂漏性脱毛症で抜けた毛はまた生える?
結論からお伝えすると、脂漏性脱毛症によって抜けた髪の毛は再び生えてきます。
脂漏性脱毛症は進行性の脱毛症ではないため、悪化しない限りは薄毛になる心配はありません。ただし、炎症などの症状が改善しないと、健康な髪の毛は生えにくくなります。
脂漏性皮膚炎とAGA(男性型脱毛症)の関係性
AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンであるテストステロンと5αリダクターゼという酵素が結びつくことがきっかけで発症する脱毛症です。
5αリダクターゼの働きにより、テストステロンがDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されると、男性ホルモンの受容体と結合し脱毛を引き起こします。
AGA(男性型脱毛症)による抜け毛の特徴は、細くて短い毛です。
根本的な原因が異なるため、脂漏性皮膚炎とAGA(男性型脱毛症)に直接的な関係性はないと言われています。
しかし、生活習慣の乱れやストレス、間違ったヘアケアにより皮脂が過剰に分泌されると、AGA(男性型脱毛症)発症のリスクを高めたり、脂漏性皮膚炎を併発する可能性も考えられます。
頭皮トラブルである脂漏性皮膚炎を治すには?
脂漏性皮膚炎は、まず炎症を落ち着かせることが大切です。
症状が軽いかゆみや赤み、皮膚のかさつき程度だと、まずは市販の軟膏や保湿クリームなどで対処しようとする方も多いです。
それによって症状が一時的に治まることもありますが、脂漏性皮膚炎の根本的な原因となるマラセチアの増殖を食い止めないと、すぐに再発してしまうことになります。
また、クリームなどの刺激により、逆に症状が悪化してしまう可能性もあります。
そのため、症状が軽い場合でも、炎症やかゆみ、かさつきなどの症状が続く時は早めに皮膚科などを受診しましょう。
脂漏性皮膚炎・脱毛症の治療法
脂漏性皮膚炎の治療には、一般的に抗真菌の外用薬やステロイドが用いられます。抗真菌薬とステロイドの違いや特徴は下記のとおりです。
抗真菌薬
- マラセチアの活性をおさえる効果がある。
- ステロイドに比べて効果が出るまでに時間がかかる。
- 軽症の場合や症状が落ち着いた後の再発予防に使用されることが多い。
- 局所的な副作用がほとんど起こらない。
ステロイド
- 抗炎症作用により、かゆみや赤み、かさつきなど皮膚表面の炎症をしずめる。
- 短期間の外用で効果が見られやすい。即効性がある。
- 重症化している場合に効果的である。
- 局所的に副作用が起こる場合がある。
これらの外用薬以外に、脂漏性皮膚炎の症状の程度によって、次の処方がされます。
- 荒れた皮膚の回復のために尿素入りのローション
- 皮脂を減少させる効果が期待されるビタミンB2やB6、ビタミンC
頭皮の炎症を治すためには、シャンプーまで意識する
脂漏性皮膚炎は、症状が出ている脂漏部位を清潔に保つことが改善の第一歩であり、発症の予防にもつながります。
頭皮の場合は刺激の強いシャンプーは避け、洗浄力がおだやかで頭皮に刺激の少ないアミノ酸系のシャンプーに変えることをおすすめします。
製品名 | 有効成分 |
---|---|
ニゾラールシャンプー | ケトコナゾール |
コラージュフルフル(持田製薬) | ミコナゾール硫酸塩 |
最近では、マラセチアなどのカビに効く抗真菌剤の入ったシャンプーも医薬部外品として薬局などで購入できます。
一般的にはこういったシャンプーの使用も効果的ですが、人によって症状や皮膚の状態がさまざまなので、場合によって合わないこともあります。
1ヶ月程続けてみて、効果を感じられなかったり悪化していると感じた場合は、医師や薬剤師に相談してみてください。
脂漏性皮膚炎や抜け毛のセルフケア
脂漏性皮膚炎の予防や改善のために、自分でできる対策があります。是非実践してみましょう。
食生活を見直す
脂っこい食事や香辛料など刺激の強い食事を控え、皮膚の代謝を促すビタミンB群やビタミンCを多く含む食品を積極的に摂るようにしましょう。
洗顔や洗髪方法に気をつける
抗真菌剤が入っている、もしくは低刺激のシャンプーや石鹸を使用し、熱すぎるお湯は避けて擦らないようにやさしく洗いましょう。特に頭皮はシャンプーの洗い残しがないよう、よくすすぐことを意識してください。
規則正しい生活を送る
ストレスや疲労、睡眠不足は、ホルモンバランスの乱れや皮膚の抵抗力を低下させ脂漏性皮膚炎を悪化させる原因となります。生活習慣を正したり、規則正しい生活を送る…日々の積み重ねがとても重要です。
まとめ
いかがでしたか?
脂漏性皮膚炎はマラセチアというカビ(真菌)が増殖することによって皮膚に炎症が起こります。
そのため、頭皮のかゆみや赤み、フケの症状に悩まされている場合は、早めに炎症をおさえて改善させることが必要です。
悪化してしまうと抜け毛を引き起こしたり、場合によってはAGA(男性型脱毛症)を併発する場合もあります。
脂漏性皮膚炎は放っておいてもなかなか改善せず、きちんと治療をしないと症状が慢性化したり、再発したりしやすいので注意しましょう。