毛根鞘と皮脂の違いとは?毛根鞘を抜くコツや血が出た時の対処法

毛根鞘 皮脂 違い

髪の毛が抜けた時、根元側に小さな白、または半透明の塊が付いている事に気付いたことはありますか?

毎日何十本もの抜け毛がある方や薄毛が気になっている方の中には、この白い塊は皮脂で毛穴が詰まっているのでは?と考えた方もいるかもしれません。

この白、または半透明の塊は皮脂の可能性もありますし、毛根鞘(もうこんしょう)の可能性もあります。
今回はこの毛根鞘と皮脂との違い、毛根鞘を抜くコツ・髪の毛を抜いた時に血が出た時の対処法などについて詳しく解説していきましょう。

ハゲる危険な抜け毛の見分け方については下記のYouTubeでも詳しく解説していますので、是非合わせてご覧になってみてください。

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目次

そもそも毛根鞘とは?

まずは耳慣れない「毛根鞘(もうこんしょう)」について、解説させて頂きます。
毛根鞘とは毛穴の中で毛包と毛根を繋いでいる組織で、内毛根鞘と外毛根鞘という二つに分かれており、抜け毛に付いてくる毛根鞘は内毛根鞘となり半透明のプルプルしたゼリー状のものです。

ピンセットや毛抜きなどでムダ毛を処理したことがある方であれば毛根鞘を見た事があるという方も多く、根元に毛根鞘が付いていることは健康に髪の毛が育っている証でもあり、毛根自体が付いていない状態の細い抜け毛は薄毛への危険サインとも言われています。

抜け毛についてくる毛根鞘と皮脂の違いを解説

抜け毛についてくる白または半透明の物体は毛根鞘か皮脂なのですが、少し見た程度ではどれが毛根鞘でどういうものが皮脂なのか分かりませんよね?

そこでまずは毛根鞘と皮脂が抜け毛についている場合、それらはどのようなものなのかをそれぞれ解説していきます。

抜け毛についてくる毛根鞘とは?

まずは抜け毛についてくる毛根鞘の場合、抜け毛の毛根部分に半透明のプルプルとしたゼリー状のものが付着しています。
触ってもべたつきはありませんが、紙などには簡単にくっつく程度の粘り気があり髪の毛が簡単に毛包から抜け落ちないようにする構造の一つです。

髪の毛を作る毛母体や毛乳頭とは抜け毛についてくる毛根鞘とは別の外毛根鞘と繋がる為、毛根鞘が抜け毛についていたからと言って薄毛が進行するという心配は必要ありません。

抜け毛についてくる皮脂とは?

続いて皮脂が抜け毛についてきた場合ですが、毛根鞘の場合とは異なり抜け毛の毛根部分の上部から髪の毛の根元部分にかけて、白くべたついた塊が付着します。
夏は皮脂の粘度が低く体温や外部の熱によって髪の毛や頭皮を流れていくこともありますが、冬ですと頭皮も乾燥して皮脂も塊になりやすく毛根近くに付着する事が増える場合があります。

抜け毛の毛根近くに皮脂が固まって付着するという事は、頭皮の皮脂が過剰分泌されているという事が考えられ頭皮環境が悪化している可能性があるので早期に対処法を実践する事がおすすめです。

髪の毛を抜いてしまう癖がある方は要注意!

自然な抜け毛で毛根鞘が付いているのであれば心配はありませんが、自分でも気が付かないうちに髪の毛を抜いてしまう、または髪の毛を抜く事が快感になっている方は「抜毛症(トリコチロマニア)」になっている可能性があります。

何故、抜毛症を発症すると注意が必要なのか?また抜毛症の症状についても解説させて頂きましょう。

抜毛症の症状とは?

抜毛症は10代の子供から大人の女性に多く、男性でも発症する精神障害(自傷行為)で、日本国内だけでも300万人以上の方が悩み苦しんでいる疾患です。
無意識またはムダ毛や髪の毛を抜く事に快感を感じ、自分の体毛や家族・友人・恋人の体毛までも抜く方もいらっしゃいます。

特に髪の毛の場合ですと決まった場所から周辺を抜いてしまう事が多く、髪の毛を抜きたくないと思っていてもそのストレスでまた抜いてしまい自己嫌悪を感じてしまうのです。
原因として一番多いのはストレスや親子関係、そして生活環境や本人の性格が関係していると言われています。

抜いた髪の毛についた毛根鞘を食べてしまう「食毛症」とは?

抜毛症の方の中には毛根鞘を抜くコツを覚え、そして抜いた髪の毛の毛根鞘を食べてしまう食毛症を発症している方もいます。
毛根鞘まで抜けると快感だ、プルプルした毛根鞘を食べたいからと毛根鞘を抜くコツを調べている方もいますが、髪の毛は胃酸でも溶けないほど丈夫なので食べ続けていると髪の毛が胃や腸の中で石化してしまい、腸閉塞や胃腸炎などになり最悪の場合は内臓破裂を起こす可能性も有り得るのです。

抜毛症や食毛症の治療は薬に頼ることも多いですが、根本から治すためには認知行動療法がベストとなるので信頼できる医師やカウンセラーへ相談する事をおすすめします。

抜け毛に毛根鞘が付いていると髪の毛が生えなくなる?

抜け毛に白や半透明の塊が付いていると毛根がまるごと抜けてしまった!もう髪の毛が生えないんじゃないか?と心配になられる方が一定数おられるのですが、基本的に抜け毛についている毛根鞘は内毛根鞘で毛母細胞までの間にもう一枚クッションがあるので心配は要りません。

ただし、健康な髪の毛を繰り返し抜いてしまうと毛母細胞まで傷つけ損傷させてしまうことで新しい髪の毛が生えなくなってしまうという事がある為、注意が必要です。

抜け毛の毛根鞘に血が付いていた場合は?

抜け毛の毛根鞘に血が付いていた場合、まだ成長期にある髪の毛を抜いてしまった際に起こりやすいものです。
成長期を終えて退行期や休止期に入った髪の毛は抜ける準備が出来ているので、髪を梳かした時や洗髪時に簡単に抜けるのですが、成長期の髪の毛はまだ毛母細胞や毛乳頭から栄養やメラニン色素を受け取っている状態の為に繋がりが強く抜けにくくなっています。

その状態を無理やり引っこ抜いてしまっている為、その抵抗で毛根近くの毛細血管が破れて血が出てしまい毛根鞘に血が付着してしまっているのです。
ただ、血のように見えても指で触ったりした時に血が付かない場合は、髪の色になる前の色素が赤く見えるだけなのでご安心ください。

抜け毛の毛根鞘に血が付いていた時の対処法

もし毛根鞘に血が付着していた場合は傷から雑菌が入って炎症を起こす可能性があるので、場所が分かっている時はその部分を消毒したりして清潔に保つようにしましょう。

万が一に重度の炎症を起こしてしまった時は、皮膚科を受診し適切な処置を行って貰う事が重要です。
無理に髪の毛を引き抜いて出血してしまった場合は毛乳頭までも損傷し、二度と髪の毛が生えなくなる場合があるので髪の毛は自然に抜け落ちるまでそっとしておく事をおすすめします。

抜け毛に皮脂が付いている場合は要注意

抜け毛の根元を確認した時に毛根鞘ではないべとべととした皮脂が付いている髪の毛が多い場合は、皮脂が過剰に分泌している証拠で頭皮が炎症を起こしやすく抜け毛が増えてしまう事があります。
男性ホルモンの分泌も過剰になって頭皮に角栓ができやすくもなりますし、かゆみを伴う事もあるので頭皮を掻いた時に傷をつけてしまうなど、頭皮にとって悪い影響になるのです。

ある程度の皮脂は頭皮の環境を正常にしてくれるものではあるのですが、過剰に分泌すると毛穴にまで皮脂が詰まり髪の毛の成長が遮られて細く弱い髪の毛になってしまったり抜けやすくなるので、皮脂の過剰分泌を抑える事が必要になります。

関連記事:白い毛根の抜け毛がある…髪に白い塊(付着物)がある抜け毛は大丈夫?

頭皮の皮脂の分泌を抑える対処法

それでは最後に頭皮の過剰な皮脂分泌を抑える対処法を解説させて頂きます。
皮脂の過剰分泌は頭皮環境を悪化させ髪の毛の細く弱いものにし、さらに抜けやすくなってしまう等、薄毛治療をしている方や将来薄毛の心配がある方はしっかりと対処法を実践していただく事が重要です。

そこで日常の中で取り入れていただける頭皮の過剰な皮脂分泌を抑える対処法を解説していきますので、抜け毛に皮脂が付いている方や頭皮のべたつきが気になる方は実践してみましょう。

頭皮の過剰な皮脂分泌への対処法:食生活を見直す

まず一つ目の過剰な頭皮の皮脂分泌への対処法は、日頃の食生活を見直す事です。忙しいからと簡単なもので済ませたりコンビニやファストフード、脂質の多いものばかり食べているという方は特に注意が必要です。

皮脂の分泌量をコントロールするビタミンBは体内に貯蔵する事が出来ないので、日々の食事でビタミンBを多く含む卵や牛乳・乳製品・納豆・緑黄色野菜などを取り入れるようにしましょう。
その他パントテン酸や葉酸・ビオチンなども頭皮の新陳代謝や血行促進を高め、皮脂の過剰分泌抑制効果があるので対処法としておすすめ出来ます。

頭皮の過剰な皮脂分泌への対処法:正しいシャンプーの方法を実践する

2つ目の過剰な頭皮の皮脂分泌への対処法は、正しいシャンプーの方法を実践する事です。睡眠時間の確保も大切ですが、整髪料を付けていたり汗やほこりが付いたまま寝てしまったり、時間がないからと短時間で軽く洗うだけという方は頭皮の皮脂が取りきれていない場合もあります。
反対に頭皮の皮脂が気になるからと1日に何度もシャンプーをしている方も要注意です。

まずは3分程ぬるま湯のみで予洗いした後、洗浄力の優しいアミノ酸系シャンプーを使って頭皮を満遍なくマッサージするように指の腹で優しく洗い、タオルドライ後はドライヤーで根元から毛先へと乾かしていきましょう。

頭皮の過剰な皮脂分泌への対処法:質の良い十分な睡眠を確保する

過剰な頭皮の皮脂分泌への対処法3つ目は、最低でも4時間以上の質の良い睡眠をとる事です。
睡眠の質を高めるコツは、就寝の3時間前までに夕食を済ませる事・2時間前までに入浴を済ませ、その後は視神経に刺激を与えるスマホやパソコンを見ないこと・寝る前にはアルコールやカフェインを控えるなどがあります。

睡眠中に分泌されるモルモンの中にはメラトニンというものがあり、このメラトニンが細胞の酸化を防いだり免疫力を高める・新陳代謝を促進するという働きや体内時計の調整をしてくれています。
メラトニンの分泌量が減少すると睡眠の質が下がってしまうので、増やすためにも根菜やナッツ類・乳製品などを食事に取り入れる事も対処法としておすすめです。

頭皮の過剰な皮脂分泌への対処法:ストレス発散

頭皮の過剰な皮脂分泌への対処法4つ目は、自分に合ったストレスの発散方法を見つける事です。
人間関係や仕事など現代はストレス社会と言っても過言では無い程、ストレスの素に満ちていますのでストレスから体調やメンタル面への影響は計り知れません。

少しの時間を見つけて深呼吸するだけでもリラックス効果が高まりますし、休日には映画鑑賞や読書をする・近場の景色の良い場所へ行く、好きなものや美味しいものを食べる・アロマを使う・運動するなど、自分がゆったりとリラックスできるものを見つけましょう。
ストレスへの対処法により体調やメンタル面へ負担が軽減される事で、ホルモンバランスが整い皮脂の分泌量も正常になるので対処法としてはかなり重要な事でもあります。

まとめ

今回は抜け毛についている毛根鞘と皮脂の違いから血が出た時の対処法、そして抜毛症と過剰な頭皮の皮脂分泌を抑える対処法を解説させて頂きました。

毛根鞘自体は抜け毛に付いていたとしても不安な事はありませんが、毛根鞘を抜くコツを覚え無理に引き抜いた髪の毛の毛根鞘に血が付いていた場合は消毒をする等の対処法が必要になります。
また、皮脂が付いていた場合は皮脂の過剰分泌が疑われますので、皮脂の過剰分泌を抑制する対処法を是非実践していただき平常時へと戻すようにしましょう。

対処法を行っても改善されない場合は薄毛の専門家へ相談し、適切な対応をいち早く行う事で薄毛の心配も少なくなりますので、気軽にご相談ください。

参考文献:
一般社団法人日本抜毛症改善協会

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この記事を書いた人

川上先生のアバター 川上先生 発毛技能士

スーパースカルプ発毛センター吉祥寺駅前店・渋谷店統括マネージャー

発毛技能士として年間200名以上の薄毛に悩みに乗っています。
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