大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンと似た構造を持つため、抜け毛予防や美肌効果があると言われています。
そのため、女性の抜け毛や男性の薄毛に多いAGA(男性型脱毛症)を予防したいときに、簡単に食事で摂取できる大豆製品(大豆イソフラボン)が有効であると考えられています。
本記事では、「大豆イソフラボンが抜け毛や薄毛に有効手段であるか?大豆製品に期待される効果について」解説します。
大豆イソフラボンの1日の摂取量や効率的な補給の方法なども合わせてご紹介します。
当サイト「hagerico」を運営するスーパースカルプ発毛センターで
薄毛を改善されたお客様のリアルな口コミはこちらから。
当サイト「hagerico」を運営するスーパースカルプ発毛センターで、薄毛を改善されたお客様のリアルな口コミはこちらから。
大豆イソフラボンとは?
大豆イソフラボンは、大豆、特に胚芽大豆に多く含まれるフラボノイド※の一種です。
最近では、人の体の生理機能を調整する効果があると期待されており、機能性成分としてもフラボノイドは注目されています。
特に大豆イソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンと構造が非常に似ていることから植物性エストロゲン「フィトエストロゲン」とも呼ばれています。
※)ポリフェノールの一種で天然に存在する植物色素の総称
大豆イソフラボンには2種類ある
大豆イソフラボンは、実は2種類の形があることをご存知でしょうか?
片方が女性ホルモン(エストロゲン)に似たような働きがあるものであり、もう片方は異なる構造となります。
- 大豆イソフラボン
- 大豆イソフラボンアグリコン(エクオール)
大豆イソフラボンは体に摂取する時は糖が結合した構造をしています。
消化器官を経由する中で、大豆イソフラボンが分解されて糖が外れた構造「大豆イソフラボンアグリコン(エクオール)」へと変化します。
このエクオールの構造がエストロゲン(女性ホルモン)と似ているため、エストロゲンのような働きができることが知られています。
食事によって女性ホルモンを更に補充することが出来るため、抜け毛の量が少なくなったり、美肌になる効果が期待されています。
エストロゲンの効果
- 肌の新陳代謝の促進
- 悪玉コレステロールの抑制
- 骨密度の維持
- 女性らしい体作り
- 自律神経の安定
大豆イソフラボンアグリコン(エクオール)の薄毛予防効果とは?
大豆イソフラボンは、腸内細菌の力によって分解されて大豆イソフラボンアグリコン「エクオール」という成分に変化します。
このエクオールが薄毛の進行を予防する上で良い効果があることが知られています。
AGAの予防:5αリダクターゼの抑制
AGA(男性型脱毛症)は、男性ホルモンであるジヒドロテストロン(DHT)の働きによって毛母細胞が細胞分裂を停止させることが原因で毛髪の軟毛化や脱毛が起きます。
エクオールには、ジヒドロテストロンを合成する酵素「5α-リダクターゼ」の働きを阻害する作用があると言われています。
そのため、エクオールを摂取することによって、ジヒドロテストロンの合成量が低下して髪の毛の軟毛化や脱毛を予防することが期待されています。
髪のハリコシを強くする
エストロゲンホルモンは、別名「美肌ホルモン」とも呼ばれています。
女性ホルモンのエストロゲンホルモンとして働くことができるエクオールは、肌内部のコラーゲンの産生を促して「頭皮の乾燥を防ぐ効果」があります。
コラーゲンは、頭皮の70%を占めるタンパク質であり、頭皮の内側の土台がしっかりとすることでより多くの栄養素を髪の毛へ与えることができます。
それだけでなく、コラーゲンの層が密となることで毛根の歪みや肌の衰えが緩和されて、髪の毛の立ち上がりやすくなります。
そのため、エクオールには髪の毛のハリコシが強くする効果と毛髪の立ち上がりが良くなることが期待できます。
大豆イソフラボンを抜け毛や薄毛予防に活用する時の注意事項
大豆イソフラボンは、体の中に吸収される過程で大豆イソフラボンアグリコン(エクオール)へと形を変えない限りは、女性ホルモンの代わりとして働くことが出来ません。
食べた、大豆製品を腸内細菌の力によって、糖を分解することでエクオールが生成されます。しかし、腸内環境(腸内フローラ)の状態は人によって異なるため、効率よくエクオールを生成出来ない人もいます。
日本女性医学学会雑誌によると、エクオールを作ることが出来る日本人の割合は、約50%※と言われています。
※出典:日本女性医学学会雑誌,20:313-332,2012
半数の人が大豆製品を摂取しても女性ホルモンの補助として効果を発揮出来ていないことになります。
エクオールを効率的に摂取するには?
エクオールとして効率的に摂取する方法としては大きく2つあります。
①:腸内環境を整える
腸内細菌の力なくしてエクオールを生成することは出来ません。
まずは腸内環境を整えることで摂取した大豆イソフラボンを分解できる状態を作り出してあげましょう。
大豆イソフラボンを効率的に吸収するためにできる腸内環境に良い行動・悪い行動は次の通りとなります。
腸内環境を悪くする行動 | 腸内環境を良くする行動 |
---|---|
ストレス | プロバイオティクスのサプリメントを活用 (乳酸菌やビフィズス菌など) |
過度な飲酒 | 納豆やキムチなどの発酵食品を摂取 |
睡眠不足 | 食物繊維の摂取 |
運動不足 | 良質な睡眠をとる |
酸化した油の摂取 | ストレスの軽減 |
動物性脂質の摂取 | 適度な運動 |
喫煙 | ウォーキング |
②:エクオールをサプリメントとして摂取
最近では、大豆イソフラボンの糖を分解した状態である大豆イソフラボンアグリコン(エクオール)自体がサプリメントとして製薬会社などから販売されています。
特に更年期の揺らぎなどを目的として使用されることがありますが、若い女性でもエクオールが十分に摂取できないことが問題視されているため活用することも一つの手です。
大豆イソフラボンの1日の摂取量は?
抜け毛予防や薄毛対策として大豆イソフラボンを活用するため必要な1日の大豆イソフラボンの摂取量は「10mg」が目安とされています。
大豆イソフラボンアグリコン(エクオール)として生成できる割合は個人差がありますが、エクオールを10mg生成するためには、豆乳ならコップ1杯(200g)、豆腐なら2/3丁(200g)、納豆なら1パック(50g)程度が目安となります。
食品に含まれる大豆イソフラボンの含有量
食品名 | 大豆イソフラボンの含有量(平均値)100mg当たり |
---|---|
大豆 | 140.4 |
納豆 | 73.5 |
味噌 | 49.7 |
おから | 10.5 |
豆腐 | 20.3 |
煮豆 | 72.1 |
醤油 | 0.9 |
豆乳 | 24.8 |
大豆イソフラボンの過剰摂取は危険?
大豆イソフラボンは適量は抜け毛の予防や薄毛対策として良い効果を発揮しますが、何でも取りすぎは体に良くないです。
食品安全委員会によると、大豆イソフラボンにおける1日の摂取量の上限値は70~75mgと定めております。
1日の上限値を超える大豆イソフラボンを取り続けることで、「ホルモンバランスの乱れ、下痢、体重の増加」などの報告例があります。
そのため、今より髪の毛を生やしたいからといって、豆乳を1日7杯以上摂取するなどは控えましょう。
男性の大豆イソフラボンの取りすぎは女体化する?
大豆イソフラボンは女性ホルモンとして働くことができることから、男性が大豆イソフラボンを取ると女性化乳房になるという報告例があります。
この報告例は、大豆イソフラボンを数百mg/日を長期的に過剰摂取したことによって報告された症例であるため、通常通りの生活をして大豆イソフラボンを摂取している程度では危険性はほとんどありません。
男性が女性ホルモンを摂取することによる副作用はあまり心配する必要はありません。
まとめ
本記事では、薄毛や抜け毛の予防として効果が期待される大豆イソフラボンについて、効果や注意事項そして安全性について解説してきました。
大豆イソフラボンにはAGAによる抜け毛を予防する効果が期待できるだけでなく、頭皮環境を整えるなどの良い効果も期待されます。
そのため、抜け毛や薄毛で悩んでいる人は大豆イソフラボンを普段の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。ただし、1日の上限値が70mg程度と決められているため、治したいからと言って取りすぎには注意してくださいね。
参考文献