ある日突然ぽっかりとコイン状や楕円形の部分的に脱毛部位が見つかるというのが、今回のテーマである「円形脱毛症」です。
円形脱毛症は1つ~複数が同時に発生してしまう事もありますし、重度のものになると全身の体毛に及ぶ事もあります。
今回は、女性が円形脱毛症になってしまう原因や症状の種類と、同じ女性でも10代・20代・30代などの年代によって改善方法が変わるのか?という事について詳しく解説させて頂きましょう。
また、近年女性に現れやすい特殊な円形脱毛症についてもご紹介していきますので、是非最後までご覧になってください。
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円形脱毛症は女性に起こりやすい?
基本的に円形脱毛症の罹患率は男性・女性や年齢に関わらず、誰でも円形脱毛症になると言われています。
ですが、女性や子供に起こりやすいという説も未だにあり、実際に円形脱毛症患者の25%程は15歳以下の子供なのです。
また、子供の円形脱毛症の中には自分で髪の毛を抜いてしまう「抜毛症」の可能性もあるので、注意して観察する必要があります。
では女性に円形脱毛症が多いと言われている理由は、一体何なのか?
まずはその点について、解説していきましょう。
女性に円形脱毛症が多いと言われる理由
何故女性が円形脱毛症を発症する頻度が多いと言われているかというと、女性に多い甲状腺疾患や出産という人生の一大イベント、さらに女性の社会進出が増え家事や育児と仕事というストレスに起因しているからです。
女性の身体は初潮を迎えて以降、体内に必要なミネラルである鉄を失い続けていき、体内から鉄が不足してしまう事で貧血になってしまいます。
貧血は髪の毛を育てる為の酸素を不足させるだけでなく、脳内ホルモンのセロトニンが不足しストレスに弱くなってしまうという事にも繋がり、円形脱毛症を発症しやすくなるのです。
新たに見つかった特殊な円形脱毛症とは?
2000年頃に見つかった新しいタイプの特殊な円形脱毛症は男性にも現れる症状ですが、女性に特に多いとされる東北大学大学院医学研究科が2004年に報告したものが「ADTA(acute diffuse and total alopecia)」という急性びまん性全頭脱毛症です。
どういった円形脱毛症かというと、一般的な円形脱毛症や全体的な薄毛(びまん性脱毛症)の症状が現れた3ヵ月程後には全頭が脱毛してしまうのですが、同時期に新しく髪の毛が生え始めて平均半年ほどでショートカット程度に生え揃います。
様々な治療法を試しても回復までの経過が変わらず、ほとんどの確率で治癒までの見通しが良好な為に身体への負担が少ない治療をするという事が特徴です。
女性の円形脱毛症の原因は何?
円形脱毛症が女性に多いと言われる理由に続いて、女性が円形脱毛症になってしまう原因を解説していきます。
主な円形脱毛症の原因として確実な研究結果が無いものの、様々あるとされている中で現在有力だとされている原因は以下の5つです。
女性の円形脱毛症の原因その1 自己免疫疾患
現在一番有力な円形脱毛症の原因とされているのが自己免疫疾患で、本来であれば体に入ってきた細菌やウイルスを攻撃して体を守る免疫細胞が、髪の毛を作る毛包を異物だと誤認してしまい毛根を攻撃し、毛母細胞が休止して髪の毛が育たなくなってしまうのです。
女性に多い甲状腺疾患や関節リウマチ・尋常性白斑、全身性エリテマトーデスなどの疾患を抱えている方は、円形脱毛症を併発する事が多く、また改善と悪化を繰り返す事もあります。
女性の円形脱毛症の原因その2 精神的ストレス
女性の円形脱毛症を誘引してしまう原因の一つに、精神的ストレスがあるという考えもあります。
ストレスを過剰に受ける事で自律神経が乱れ自律神経がコントロールするリンパ球が暴走する、またはストレスによって血流が悪化して毛母細胞が栄養不足になり髪の毛が育たないという2つの説がありますが、未だ仮説の域を出ていません。
また、ストレスがきっかけとなり自己免疫機能に異常をきたしたり、次にお話する内分泌異常を引き起こすという事もある為、少なからずストレスと円形脱毛症には関連があると考えられています。
女性の円形脱毛症の原因その3 内分泌異常
女性は妊娠や出産・閉経で女性ホルモンの分泌が大きく変化し、内分泌異常を起こす事があるという事も、円形脱毛症を発症する原因です。
体内で分泌されるホルモンの分泌や合成、働きの異常を内分泌異常と言い、女性に多い甲状腺疾患も内分泌異常から起こる疾患となります。
多くの女性に起こりやすい産後脱毛症も、妊娠で増えた女性ホルモンの分泌が一気に減少する事で起こる内分泌異常の脱毛症で、ほとんどは1年以内に新たな髪の毛が生えて症状も治まりますが、極稀にこの後解説する遺伝的要素やアトピー、産後のストレス・栄養不足などの素因によって産後脱毛症から円形脱毛症になってしまうこともあるので、早期に医療機関や専門家へ相談し治療する事が重要です。
女性の円形脱毛症の原因その4 遺伝的要素
2004年に中国の安徽医科大学皮膚科研究所から報告された調査データによると、円形脱毛症を発症した方の約8.4%が家族にも円形脱毛症を発症したことがあるという事が分かりました。
また、アメリカやイスラエルなど欧米の調査によっても、1親等内で円形脱毛症を発症する確率は他人と比較して10倍になるという報告があり、円形脱毛症は遺伝的要素と環境要因の両面が作用して起こるものだと考えられているのです。
ただし円形脱毛症の原因として遺伝的な要因があるものの、同じ遺伝子を持つ一卵性双生児だからと言って両方が発症するとは限らないので、円形脱毛症を発症しやすい遺伝子を受け継いだとしても環境要因が無ければ円形脱毛症になりません。
女性の円形脱毛症の原因その5 アトピー性疾患
円形脱毛症を発症する原因として国内・国外で多くの報告があるものがアトピー性疾患です。
アトピー性疾患にはアトピー性皮膚炎・気管支喘息・軽度のアレルギー性鼻炎が含まれ、円形脱毛症を発症した方の約40%がアトピー性疾患を抱えていたり、約54%は本人または家族にアトピー性疾患があるという事で関連性が高いと考えられています。
また、アトピー性疾患がある場合は円形脱毛症の症状が重症化する可能性もあるので注意が必要とされているのですが、経過や重症度などに違いがみられること、さらにアトピー性疾患がどのように円形脱毛症に関わっているのかということがまだ分かっていない為、今後さらなる研究により明らかになることを期待されています。
円形脱毛症には5つの種類がある
現在円形脱毛症を分類すると、主に単発型・多発型・融合型・全頭型・汎発型という5つがあり、他には最初にご紹介したADTA(急性びまん性全頭脱毛症)等があります。
一般的には自然に治るというイメージもある円形脱毛症ですが、症状によっては治療が難しいものや完治までに時間がかかるものがあるので、以下の円形脱毛症の種類をよく確認し治療に臨むようにしてください。
単発通常型円形脱毛症・多発通常型円形脱毛症
単発通常型円形脱毛症は一般的な円形脱毛症のイメージとされる、円形型の脱毛が1~2ヶ所程度現れるもので軽度の場合は自然治癒しますが、進行すると円形型の脱毛が2ヶ所以上現れて何度も繰り返す多発通常型円形脱毛症や、脱毛箇所がくっついいてしまう多発融合型円形脱毛症になる事もあります。
女性だけでなく男性にも現れ自然治癒する事の多い典型的な円形脱毛症ですが、多発型や多発融合型になると完治するまでに2年程度かかる場合もあるので、早期治療することがおすすめです。
多発融合型脱毛症
多発融合型脱毛症には2種類あり、蛇行型円形脱毛症は脱毛箇所が蛇のように連なり、特に後頭部や側頭部の生え際に沿って脱毛箇所が広がっていくことが特徴です。
またびまん性脱毛症も多発融合型脱毛症の1種とされ、女性に多い脱毛ではあるのですが男性や子どもでも発症する事が分かっています。
蛇行型は発症率が少なく確立した治療法も無いため完治まで数年にも及ぶ治療が必要で、びまん性脱毛症は進行が早く治療が難しいと言われており、治療せず放置していると次の項目で解説する全頭型円形脱毛症へと進行する事があるので、多発型と同じく早期に治療を開始しましょう。
全頭型円形脱毛症
多発型や融合型から進行すると、頭部全体の髪の毛が抜け落ちてしまう全頭型円形脱毛症を発症する恐れがあります。
ここまで進行してしまうと、もはや円形脱毛症とは言えない状態になり、さらに治療しても完治する確率が10%以下と難しくなってしまうのです。
または、本記事の最初でご紹介したように、発症から3ヵ月程で頭部全体の髪の毛が抜け落ちるまではどのような治療も効果が無く、その直後に新たに髪の毛が半年~1年程度で自然に生え揃うというADTA(急性びまん性全頭脱毛症)の場合もあります。
汎発型円形脱毛症
円形脱毛症の中でも最も症状が重く、難治性が高いのが汎発(はんぱつ)型円形脱毛症です。
元プロ野球選手の森本稀哲さんや現役アイドルのpippiさんが公表したことでも知られる、髪の毛を含む全身の体毛が抜け落ちてしまう重度の円形脱毛症で治療を行って治る方もいれば治らない方もいるというほど完治が難しいと言われています。
治療によって症状に回復傾向がみられても再発してしまう事があったり、回復して数年後に再度発症してしまう等、治療が長期化してしまう事が少なくありません。
全頭型円形脱毛症や汎発型円形脱毛症は、治療方法によっては入院が必要になったりもします。
10代・20代・30代で円形脱毛症の改善方法は変わる?
最後に、同じ女性であっても10代・20代・30代という年代で円形脱毛症の改善方法が変わるのか?について、詳しく解説していきましょう。
成長過程にある10代と生活環境が変化しやすい20代、そして成熟期でもある30代の女性に起こった円形脱毛症の改善方法をそれぞれご紹介していきますので、円形脱毛症に悩んでいる方は是非参考にして下さい。
10代の円形脱毛症改善方法
冒頭でも円形脱毛症を発症した患者の25%程は15歳以下の子供だとお話させて頂いたのですが、子供が円形脱毛症を発症する一番の要因はストレスであるという説がありますので、まずストレスを取り除くという事が一番の改善方法です。
その他、10代の女性が円形脱毛症を発症した場合には、アトピー性疾患やスポーツ・ダイエットによる貧血の場合もあります。
10代であれば学校や就職などによる人間関係などのストレスを受けますし、実家を出て食生活が変わることでの栄養不足・生活習慣の乱れなども円形脱毛症を発症する要因となる可能性が高いので、規則正しい生活と栄養バランスを考えた食生活をする事もおすすめの改善方法ですし、進行してしまうと治療に時間がかかってしまうので医療機関を受診する事が改善方法として最適です。
20代の円形脱毛症改善方法
20代の女性が円形脱毛症を発症する要因にもストレスがあり、その他には妊娠・出産や極度の疲労、甲状腺疾患や膠原病を発症し円形脱毛症を併発するなどが考えられます。
円形脱毛症以外に疲れやすい・体重の急激な変動・不眠や過剰な眠気、頻脈や徐脈などの症状がある場合には、まず医療機関で血液検査をして疾患などが無いかを調べる事が一番の改善方法です。
まだ若くおしゃれにも気を使う中での円形脱毛症は精神的なストレスにも繋がりますが、単発通常型以外の円形脱毛症になると治療に時間がかかる事もあるので、ウィッグやヘアスタイルで上手く誤魔化しつつ楽しむようにする事も20代におすすめする改善方法と言えます。
30代の円形脱毛症改善方法
30代女性が円形脱毛症を発症する要因には、妊娠・出産によるホルモンバランスの乱れや家事や育児と仕事の両立、人間関係などによるストレスの他、甲状腺疾患や膠原病などの疾患や30代後半ともなるとプレ更年期という時期に入り女性ホルモンの分泌が減少してくるなどがあります。
30代女性も20代女性と同じように円形脱毛症以外の症状がある場合は、医療機関で血液検査をして疾患の有無を調べていただき、家事・育児のストレスには家族の協力を仰いで少しでもストレスが緩和されるようにしましょう。
家事や育児と仕事の両立などで自分の事を後回しにしてばかりでは、いくら治療をしても回復までに時間がかかってしまいますので、まずは体と心に栄養を与える事が30代の女性に起こった円形脱毛症への改善方法となります。
10代・20代・30代の円形脱毛症改善方法:その他
10代・20代・30代全ての女性におすすめ出来る円形脱毛症の改善方法として、円形脱毛症の原因となる自己免疫機能の異常を予防するという事があります。
自己免疫機能の異常が起こってしまう背景には遺伝もありますが、ストレス・感染症によって過剰に自己免疫細胞が産生され一部が暴走してしまうという事もあるのです。
自己免疫機能の異常を起こさない為には「栄養バランスの整った食事を摂る・質の良い睡眠をとる・適度な運動を心がける・基礎体温を上げる・腸内環境を整える・よく笑う」という6つの方法がおすすめとなります。
円形脱毛症の症状が出ていても、自己免疫機能の異常を抑制する為の改善方法に繋がりますので、是非実践してみてください。
まとめ
今回は女性が円形脱毛症になってしまう原因や症状の種類、そして10代・20代・30代などの年代で改善方法が変わるのかについて解説しました。
円形脱毛症と一言で言っても原因だと考えられているものは様々で、症状も軽度な物から難治性の重度のものまであり、自己判断で放置する事は避けるようにしましょう。
まだまだ原因や治療法がはっきりとしていない円形脱毛症ですので、例え1ヵ所でも見つかった場合には自然治癒するだろうと楽観視せず、念のために医療機関や専門家へ相談することがおすすめです。
参考文献
臨床皮膚科 58巻5号「円形脱毛症の新しいタイプ(ADTAFS)」
日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会「円形脱毛症の新規治療法」
テレビ東京「主治医が見つかる診療所」
厚生労働省研究班監修 女性の健康推進室ヘルスケアラボ