【発毛技能士監修】AGA治療薬を使わない発毛や薄毛治療は可能か解説

薬を使わない発毛

これまでAGA治療薬を服用・使用したことがあっても効果が無かった、または出来るだけ薬を使わない方法が知りたいという方が、発毛センターなどにご相談にいらっしゃるという現状があります。

「副作用の心配も無く健康的に薄毛を治したい。」「副作用があってAGA治療薬を断念せざるを得なかった。」「金銭的に継続するのがきつかった。」など理由は様々ですが、多くの方がAGA治療薬を使わない薄毛治療で発毛しているので、薬を使わない発毛は可能です。

今回は何故AGA治療薬を使わない薄毛治療でも発毛が可能なのか、現在AGA治療薬以外にどういった薄毛治療方法があるのかを解説します。

また、薄毛治療を行う前に必ず知っておいて欲しい情報を以下の動画で解説していますので、是非参考になさってください。

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目次

AGA治療薬を使わない薄毛治療法とは

現在薄毛治療として行われているAGA治療薬を使わない薄毛治療には、以下のようなものがあります。

  • 体質改善
  • 育毛剤
  • サプリメント
  • HARG療法
  • 低出力レーザー・LED
  • 自毛植毛

もちろん効果の有無や効果が出るまでの期間には個人差があり、確実に全ての薄毛に効果があるというものではありませんし、薄毛に悩んでいる方それぞれの原因や体質にあった薄毛治療を行う事が重要です。
これらの薄毛治療の中でもAGA治療薬を使わない発毛術を、まずは一つづつ詳しく解説していきましょう。

AGA治療薬を使わない薄毛治療法①体質改善・生活習慣改善

薄毛にはAGA(男性型脱毛症)や粃糠性脱毛症・脂漏性脱毛症など色々な原因があり、特にAGAは遺伝や生活習慣など様々な事柄によって頭皮環境が悪化しスイッチが入ってしまいます。
その為、体質改善や生活習慣の改善を行う事でAGAになりにくくする・皮脂の分泌を抑えるなどし、頭皮環境を整えて健康的に髪の毛を育てる事を可能にするというものが1つめのAGA治療薬を使わない薄毛治療です。

副作用も無く頭皮を適切な環境にすることが出来る薄毛治療で、費用面でも他の薄毛治療法より安価で済ませることが出来ます。
ただし、体質改善や生活習慣の改善だけでは確実な薄毛治療とは言えない為、より高い薄毛治療を行う為には専門家による施術を受ける事も必要です。

AGA治療薬を使わない薄毛治療法②育毛剤

AGA治療薬を使わない薄毛治療法の一つとして、ドラッグストアなどで入手できるものからクリニック・病院で処方して貰うものなど、様々ある育毛剤を使うという事があります。
すでに使用している方もいらっしゃるかもしれませんが、使い方ひとつで効果をしっかりと発揮できない事もあり、適切な使用方法を守ることが重要です。

含まれている成分がそれぞれ違う事もありますが、基本的には頭皮環境を適切に保つための保湿や栄養分を含み、頭皮の血行を促進する為に使用されます。
効果を最大限に発揮させたいのであれば、専門家のもとで毛穴を綺麗にする施術を受けたり、毛根まで浸透させる施術を受ける事が必要です。

AGA治療薬を使わない薄毛治療法③サプリメント

必要な栄養素を摂取することが出来るAGA治療薬を使わない薄毛治療法として、ある程度の効果を発揮するのがサプリメントの摂取です。
日頃の食生活では不足してしまいがちな栄養素を手軽に摂取できるもので様々な企業から販売されていることもあり、どのサプリメントを選べばよいのか悩む方も少なくありません。

1つの栄養素のみのものや髪の毛を育てるために必要な栄養素を複合して摂取できるもの等、ドラッグストアや大手通販サイトなどで様々な商品が販売されていますし、クリニックなどで処方して貰う事も出来ます。
とはいえ、サプリメントを摂取していれば発毛するとは限らず、生活習慣を改善する事も必要になりますしあくまでも栄養補助食品でしかないので、厚生労働省からも効果があるとは認められていないのです。

AGA治療薬を使わない薄毛治療法④HARG療法(成長因子治療)

続いてのAGA治療薬を使わない薄毛治療法は、皮膚科や美容外科・AGA専門クリニックなどで行うHARG療法です。
成長因子を直接頭皮に注射する事による毛髪再生治療で、育毛剤やサプリメントと比較すれば効果が高いとも言われています。

ただし、HARG療法のみでは発毛に対しそこまで高い効果を示すとは言えず、日本皮膚科学会による男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版でも「成長因子導入および細胞移植療法は行わないほうがよい」とされているその理由は以下の引用の通りです。

これらの臨床試験の多くは,限られた施設における倫理委員会の承認を必要とする先進医療の段階にあり、安全性なども含めその有効性は決して十分に検証されているとはいえない。 以上から成長因子導入・細胞移植療法は今後が期待される治療法ではあるものの、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」などの法規に則って施術する必要のあるものも多く、現時点では広く一般に実施できるとは言い難いため、行わない方がよいことにする。

日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版

AGA治療薬を使わない薄毛治療法⑤LEDおよび低出力レーザーの照射

HARG療法よりも日本皮膚科学会の推奨度が高いAGA治療薬を使わない薄毛治療法として、LEDおよび低出力レーザーの照射があります。
薄毛治療の効果としてはとても緩やかなので長期的に継続して行う必要がありますし、自宅でのホームケアに使用するには高額なものも多く手軽に利用できるとは言えません。

赤色LEDや低出力レーザーは頭皮の細胞を活性化させ髪の毛の成長を促進する作用がありますが、適切な波長を持つものであることとLEDの場合は低出力レーザーよりもエネルギー量が少ないため照射する時間を長くする必要があります。
まだ国内ではそれほど普及していないのですが、日本皮膚科学会の脱毛症ガイドラインでも推奨度がBと高いことから、今後広く普及していくものではないかと考えられます。

AGA治療薬を使わない薄毛治療法⑥自毛植毛

AGA治療薬を使わない薄毛治療法、最後にご紹介するのは、AGAの原因になる物質の影響を受けにくい自分の髪の毛(毛穴)を、AGAを発症している箇所へと移植する自毛植毛です。
一度移植してしまえば効果が永続的に続くので、最後の砦とも言えるAGA治療薬を使わない薄毛治療法となります。

ただし、自毛植毛を行った部分のみ効果が得られるものですので、周囲の植毛を行っていない部分はAGAを発症することもあり完全にAGA治療薬を使わないという事は難しく、移植した部分のみが離れ小島のようになってしまう可能性が0ではありません。
その他には移植したい部分が広範囲の場合には、移植するドナーとなる毛穴の量が足りなくなる可能性もありますし、自毛植毛を行ったにも拘らず髪の毛が生えてこない・仕上がりが不自然で失敗だと感じてしまうという事もあります。

薄毛になる5つの原因とAGA治療薬

ここまで薄毛治療の中でもAGA治療薬を使わない発毛術と言えるものを解説してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
AGA治療薬の使用には副作用がありますし、効果の出方も人それぞれで中程度の改善が約3割程度ですが、全く変わらないという方も10人に1人ほどの確率となっています。

AGA治療薬を使用していたにもかかわらず発毛しなかったり、効果が少なかったという方は薄毛の原因を解決出来ていなかった可能性がありますので、薄毛になる原因とAGA治療薬がどの原因に関与しているかを解説させていただきましょう。

薄毛になる5つの原因

薄毛になる原因は大まかに分けて5つあり、その原因は以下の通りです。

  1. ジヒドロテストステロン(DHT)の増加
  2. アンドロゲン受容体の感受性が高い
  3. 悪化した生活習慣
  4. 頭皮環境の悪化
  5. 頭皮の毛細血管の血流悪化

薄毛になる原因①ジヒドロテストステロンの増加

まず男性ホルモンのテストステロンが不足してしまうと性的成長を促進する酵素の5α還元酵素と結びつき、活性度の高いジヒドロテストステロン(DHT)へと変化します。

するとDHTが毛乳頭細胞に存在するアンドロゲン受容体と結びつき、ヘアサイクルを休止期へと進めて脱毛を促すTGF-βという脱毛因子を産出するのでAGAが進行するという事が一つ目の原因です。

薄毛になる原因②アンドロゲン受容体の感受性が高い

両親や祖父などが薄毛の方であれば、5α還元酵素の活性やアンドロゲン受容体の感受性の高さを遺伝的に受け継いでいる可能性があるという事も、薄毛になる原因です。

特にアンドロゲン受容体の感受性は母方から遺伝する事が多く、母方の祖父が薄毛であれば約75%が、祖父と曽祖父が薄毛の場合となると約90%が遺伝的にAGAを発症すると言われています。

薄毛になる原因③悪化した生活習慣

3つ目の薄毛になる原因には、食生活や睡眠習慣・嗜好品などの生活習慣が乱れているということが挙げられます。
髪の毛に必要な栄養が不足していたり、質の良い睡眠が取れていない為に成長ホルモンがしっかり分泌できていない、お酒やタバコなどの嗜好品によっても栄養不足を引き起こすのです。

脂質や糖質・塩分の多い食事が多い方や運動不足の方は健康面の問題を抱える事も多くなりますし、その影響からAGAを発症しやすくなる可能性やホルモンバランスが崩れてしまうという事があります。

薄毛になる原因④頭皮環境の悪化

薄毛になる原因4つ目は適切なヘアケアが行われていなかったり、長時間紫外線に当たる・皮脂の分泌が多いなど、頭皮環境が悪化してしまう事です。

かゆみや湿疹などが起きて劣悪な頭皮環境になってしまえば健康な髪の毛が育たなくなりますし、生えてくる髪の毛は細く弱々しいもので抜けやすくなってしまいます。

薄毛になる原因⑤頭皮の毛細血管の血流悪化

5つ目の薄毛になる原因は頭皮の血流が悪化してしまう事で、太く艶やかな髪の毛を育てるために血液は酸素や栄養素を運ぶ役割をしています。

血流が悪化してしまえばその酸素や栄養素は頭皮にまで届かなくなり、ドロドロの血液では毛細血管が詰まりやすくもなり髪の毛が育たないばかりか抜け毛も増えてしまうのです。

AGA治療薬は2つの原因にのみ関与するだけ

薄毛になる原因5つのうち、AGA治療薬のプロペシア・ザガーロが関与し作用するのはジヒドロテストステロンの増加、そしてミノキシジルが関与する血流悪化の2つのみです。
内服薬のプロペシア・ザガーロに代表されるフィナステリド・デュタステリドは5α還元酵素の働きを弱めDHTが増えないようにする、そしてミノキシジルは頭皮の血流を促進するという働きがあります。

とはいえ5α還元酵素の働きを弱めようとしてもホルモンバランスが崩れていたり、血流を促進しようとしてもドロドロの血液であれば改善する事が難しいです。
もちろん頭皮環境が悪化していればAGA治療薬を使っていても、その効果を最大限発揮できないという事はお分かりいただけるでしょう。

AGA治療薬を使わない薄毛治療でも発毛が可能な理由

AGA治療薬を服用しても治らない場合があるという事をご理解いただけたかと思いますので、本題である発毛が可能なAGA治療薬を使わない薄毛治療について解説していきます。

薬を使わない発毛には上記で解説した5つの原因を同時に解決する事が必要となりますので、これからご紹介する発毛が可能なAGA治療薬を使わない薄毛治療を専門家の指導の下で行う事がおすすめです。

発毛が可能なAGA治療薬を使わない薄毛治療:DHTを抑制する

まず一つ目の発毛が可能なAGA治療薬を使わない薄毛治療には、DHTの産生を抑制する事が必要となります。
DHTはテストステロンが不足する事で増加するのですが、5α還元酵素が増えてしまってもテストステロンと結びついてDHTが産生されてしまうので5α還元酵素の働きを抑制する事が重要です。

5α還元酵素の働きを抑制する為には亜鉛や大豆イソフラボン・リモネンの摂取が効果的ですので、日常の食生活にこれらを取り入れるようにしましょう。
亜鉛は生牡蠣・牛肉(赤身)・レバーやしじみなどに多く含まれ、大豆イソフラボンは納豆・豆腐・豆乳、リモネンは柑橘類の皮に含まれています。輸入品の柑橘類の皮には残留農薬・防カビ剤が含まれることがあるので、国内産の無農薬栽培のものを選び食べるか、しっかり洗ってゆでてマーマレードにする・香りだけを楽しむようにして下さい。

発毛が可能なAGA治療薬を使わない薄毛治療:ホルモンバランスを整える

二つ目の発毛が可能なAGA治療薬を使わない薄毛治療は、生活習慣や食生活によって乱れてしまったホルモンバランスを整える事です。
ホルモンバランスが乱れるということは自律神経も乱れている事が多く、その原因は睡眠不足や食生活の乱れ・ストレス・運動不足が挙げられます。

栄養バランスの整った食生活と規則正しい生活習慣に戻す、適度に運動する事で質の良い睡眠を得る事、そしてストレスは溜めないように1日に10~30分程度リラックスできる事や趣味の時間を楽しむようにしましょう。
炭水化物や砂糖を取り過ぎてしまうとイライラしやすくもなりますので、糖や脂質を控える食生活にし髪の毛の栄養にもなるタンパク質やビタミン・ミネラルを積極的に摂取するようにしてください。

発毛が可能なAGA治療薬を使わない薄毛治療:全身及び頭皮の血行を促進する

発毛が可能なAGA治療薬を使わない薄毛治療、3つ目は全身及び頭皮の血行を促進する事です。
その為には代謝を上げサラサラの血液に出来るような食生活と筋力を上げる事が重要となりますので、糖分などの入っていない水分をこまめに摂取し、締め付けのキツイ服装を避けて日常に運動を取り入れる事をおすすめします。

また、毎日の入浴がシャワーだけという方は出来るだけ毎日37~40℃ほどの湯船に浸かると、全身の血流を促進することが出来ますし、下半身に溜まりやすい血液は足を高くして寝る事で心臓へと戻りやすくなり疲れが取れやすくなるという事が期待できます。
仕事中も1時間に1回程度、簡単なストレッチを取り入れるとリラックス効果と共に血流を改善出来ますので、トイレに立つような時に取り入れてみてください。

発毛が可能なAGA治療薬を使わない薄毛治療:発毛できる頭皮環境へと整える

4つ目の発毛が可能なAGA治療薬を使わない薄毛治療は、頭皮環境を発毛できるよう整える事です。
シャンプーの時に頭皮を強くこすってしまったり、ガシガシと大きく手を動かして洗い方が雑になっている、また使っているシャンプーの洗浄成分が肌に合っていないなどすると皮脂を取り過ぎて頭皮が乾燥してしまったり、傷をつける・炎症を起こす等する可能性があります。

洗浄成分が強すぎると頭皮を乾燥させてしまい、余計に皮脂が分泌してホコリなどと一緒に固まり毛穴に詰まるので、角栓が作られる前にアミノ酸系の洗浄成分のシャンプーに変えるのがおすすめです。
また、男性はシャンプー後にドライヤーを使わない方が多いのですが、自然乾燥させていると頭皮の常在菌が異常繁殖してしまいフケや臭いの原因になる事もあります。
血行を促進する成分の育毛剤や頭皮の乾燥を防ぐ保湿ローションなどを活用してみましょう。

関連記事:頭皮ケアは保湿が肝心?正しいケアのやり方と重要なシャンプーの選び方

発毛が可能なAGA治療薬を使わない薄毛治療:栄養素を摂取する

最後にご紹介する発毛が可能なAGA治療薬を使わない薄毛治療は、髪の毛を健康的に発毛させるために必要な栄養素を摂取する事です。
薬を使わない発毛を可能にするためには最も重要で、食事は髪の毛を作ることはもちろんDHTの抑制・ホルモンバランスを整える・血流改善という5つのAGA治療薬を使わない薄毛治療の内3つを支えるものでもあります。

効率的に食事から栄養素を吸収する為には、胃腸や肝臓・腎臓などの働きが重要でもありますので、暴飲暴食や高カロリー・高脂肪な食事、寝る直前の食事など内臓に負担がかかることは避け、栄養バランスの整った食事をゆっくり時間をかけて腹八分目を目安に食べるようにしましょう。

関連記事:髪の毛に良い食べ物・悪い食べ物とは?抜け毛を予防に効果的な食べてほしい食品(栄養)を紹介

まとめ

今回はAGA治療薬を使わない発毛について、AGA治療薬を使わない薄毛治療は可能かという事を解説しました。

結果的にAGA治療薬は薄毛治療として万人に効果があるものでは無く、薬を使わない発毛は可能ですし副作用も無いのでまずはAGA治療薬を使わない発毛を目指していただく事がおすすめです。
薬を使わない薄毛治療にはHARG療法や自毛植毛などもありますが、金額的にも負担が大きくなってしまいますので発毛できる体になるよう生活習慣を改善していきましょう。

1日でも早く発毛を実感したいという場合には、頭皮環境を整える為にも専門家へ相談してみる事がなによりの薬を使わない発毛術になりますので、是非お気軽にご相談ください。

参考文献
日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版
薄毛対策支援ナビ「薬に頼らない育毛

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この記事を書いた人

川上先生のアバター 川上先生 発毛技能士

スーパースカルプ発毛センター吉祥寺駅前店・渋谷店統括マネージャー

発毛技能士として年間200名以上の薄毛に悩みに乗っています。
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